第2回大会「歌詞が天才な楽曲」サンプル②
このサンプルはあくまで一例であり、審査基準からは外れています!
文章の上手い下手ではなく、皆さんなりの言葉で綴られた感想文をお待ちしています!
GLIM SPANKY『褒めろよ』
善光坊主茉
就職して2年目の頃、私は上司と度々衝突していた。昔からのやりかたを貫く上司と新しいやりかたを主張しなければ圧し潰されそうになる自分。毎日続くほぼ喧嘩のような議論に私は心底疲れ切っていた。終電に乗り、日付が変わる頃に帰宅。コンビニ弁当を食べながら無心で見ていたテレビから流れてきたのが、GLIM SPANKYの『褒めろよ』だった。
「今日もよいしょしとけばいい。今に天まで上り詰めて消えてくさ」社会人への応援歌と思われる『褒めろよ』の歌詞に私は衝撃を受けた。あまりにも盲点だったのだ。そう自分は20代前半、相手の上司は50代。どうあっても上司の方が早く会社から消えていく。自分はあと40年余り働くのに対し、上司は10年も経てば定年なのだ。なぜそんなことに気づかなかったのだろう。そう思った瞬間、一気に心が軽くなった。歌はそのままサビに入っていき、「褒めろよ いつか世界が掌返すの見たいなら」「褒めろよ でかい野望で敵を味方に変えてしまえよ」と歌詞が続く。私は心の底から“会社という世界が自分に掌返すのを見たい”そう思わされた。
この翌日から私の意識はガラリと変わった。上司のダメ出しには「なるほど、そんなやり方があるんですね!勉強になります!」と返事をし、良い部分は吸収。ダメだと思う部分は自分なりに改善するようになった。そのおかげもあり、自分の実力が向上していくことを実感していたし、会社からの評価にもそれが反映されていった。
それから5年余りが経った今でも、日々この歌詞の偉大さを思い知らされる。褒めれば敵は味方に変わる。褒めれば世界は掌を返す。社会というのは、よいしょしとけばいいのだ。それで自分のやりたい事が実現できるなら、至極簡単なことだろう。